2階大天井が姿を現し始めました
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こちらの物件、2階は3室+ミニ書斎+トイレまである5部屋の間取りだったのを、全て間仕切りを取り払ってワンルームにしています。天井板も取り払って屋根を支える鉄骨のトラスを露出させました。屋根の裏面の板(野地板と呼びます)がむき出しの状態から、木材で下地を組み、9.5ミリ石膏ボードの新しい天井板を吊る納まりになっています。天井板の上には断熱性能をとるために155ミリ厚のグラスウールを敷き込みました。
この新天井板の石膏ボードは、屋根を支える鉄骨トラスと取合うことになります。断面形状が複雑(C型やL型や〇型をしています)な鉄骨部材がボードを貫通しなくてはならないので、ボードを貼るのはなかなか難しいのです。また、天井全体は屋根の寄棟形状を下側からなぞる納まりを考えていたので、三角形と四角形が絡みあう面倒な形になっています。このへんをきれいに納められるかも課題でした。
今日の現場では、これらの課題がうまく解けていることがわかりました。設計者としては一安心で、現場監督や大工の仕事に敬意を表したいと思います。以下、写真でご紹介します。
2階全景。石膏ボードに黒色の鉄骨トラスが貫通するように設置されているのがわかると思います。
斜め天井は、外周部200ミリ幅でフラットになって壁と取合います(左)。ここの高さは床から2200ミリでいくぶん抑え気味にしてあります。
寄棟天井の頂点取り合い部(右)。右から上がってくる三角形の頂点が、手前と奥から上がる台形の頂点と、黒トラスの右側でぴったり一点に集まっています。大工がいい仕事をしました。
2階ワンルームは短辺6メートル、長辺9メートルの54平米です。短辺の壁との取り合い部分は幅200ミリ、深さ100ミリのスリットがとってあり、間接照明が仕込まれる予定。
このトラスの貫通部とボードの貼りこみの取り合いをご覧ください。鉄骨はC型断面のチャネル材で、そのCの中までボードがはまるように、ボードを切断して貼りこんでいます。
鉄骨のテンションロッド、直径9ミリですが、斜めにボードに刺さるところもきれいにできてます。いやはやきれいにできてます。
ボードがここまできれいに貼れていれば、あとはジョイント部をパテ処理して、きれいに壁紙が貼れます。壁紙はお客様が選ばれた大人っぽい感じのものが来ます。
テレビボードの置かれる前は、腰壁を一部このようにふかして、外からの光ケーブルのつなぎこみの端子やコンセントプレートの位置を調整しやすくしました。
2階の階段をあがった正面の壁には一部フカシ加工をして、設備系の配管配線を集中させました。インターフォンのモニタなどもここに移設して、玄関先の応対を減らします。